夏休みに入った娘たち、特に長女ランは、“日本に持って帰る物”と銘打ち、妹メイも誘って子供用アタッシュケース(かつて幼稚園の教材が入っていたもの)に甲斐甲斐しく荷造りしている。
そして、二胡母に、早くスーツケースを出せ、とうるさい。
「そんな早くから大きなカバン広げたら邪魔になるでしょう。」
とたしなめていたが、さすがあさって早朝出発に迫り、今日夫リーがひとつ持ち出した。
二胡母は帰国直前の明日4日午前中まで日本語講師の授業がある。今日日曜日もこれから教えに出かける。忙しいといえばそうだが、こうして家を脱出し、仕事に没頭するのも悪くない。
「もうすぐ先生が1ヶ月ほど日本に帰られると聞いて、来ました。」
と、かつて他の分校で教えた生徒さんがわざわざゆうべ出席してくれたりする。うれしいものだ。
そして、今朝はわりとすっきり目覚めたので、薄くらいうちから荷造りする部屋をまず片付けたり掃除機をかけたりして、持って帰る娘たちの衣類などを分けた。それだけでも少し気持ちが落ち着いた。
荷造りや引越は、二胡母の人生に常にくっついて来たものだし、夏はまだ楽だ。それに知らない土地に旅行へ行くのではなく、実家が目的地なのだから、何か忘れても何とかなる、という思いが根底にある。
さっき、娘たちにワープロで日本の国語の問題プリントを作成した。すっかり最近彼女たちの会話は中国語になっているので心配なのだ。今、日本の教科書を引っ繰り返しながら取り組んでいる。
ゆうべは風がなく、すこぶる暑さだった。今夜はもう少し涼しくなりますように。