94.『仮面うつ病』という病について。うつ病に対する偏見が消え、得るものが多かったと今では感じられる二胡母の告白。

 今日台湾は端午節、なかなか盛大な祭日である。
 が、その報告は明日にするとして、昨日の話題を続けたい。

 その「仮面うつ病」の名はかかりつけの内科医から聞いたのだが、先生が冗談か、自作の病名を言っているのだと感じたものである。10年ほど前だが、これまでにない症状で、これは絶対重病だと覚悟してその医師を訪ねた時、そう言われたのだった。

 二胡母、日本で1年半暮らし、4月はじめに台湾に戻ってからどうも体調がすぐれなかったのだが、実はこの仮面うつ病の再来だとわかった。
 5月24日に台湾最大の病院の1つ、三軍総病院へ行ったと書いたが、主治医の毛医師は精神科の権威だったのだ。初診のその頃は、公表するのをためらったのだが、今落ち着き、ありのままを書こうと思い始めた。

 それは、正直言って「うつ病」にどこか偏見を抱いていたことを今回不覚にも自覚し、自ら前回とは比べ物にならないうつ病の一種の仮面うつ病を患い、たくさん思うことがあったからだ。
 仮面うつ病とうつ病の違いは、精神的にひどく悩んだり、落ち込んだり、自己卑下することがほとんどないか、意識しない点にある。もともとは精神的な疲れや風邪の状態なのだが、症状が精神上ではなく身体上に現れる。よって、なかなか本当の原因が何か見つけにくいことが多いらしい。

 個人差があるが、私は外出がおっくうになった。このアクティヴな二胡母が、である。特に、娘たちの迎えなど、何時に必ずどこそこへ行かねばならない、というのがたまらなくつらかった。身体が動きにくいからである。全身の倦怠感、特に腕のだるさと痛さが際立ち、二胡が3日間ほどどうしても弾けなかった。目まいもひどかった。
 症状が最も顕著なのは朝で、時間が経つにつれ楽になる毎日。その繰り返しだったが、5月半ばのピーク時には立っておられず寝込んだ。食欲もなく、頭もぼんやり、これからこんな日が続いたらと思うと絶望的になるほど苦しかった。

 たしかに、4月から環境がかわり、思い悩むことは多かった。はじめは自律神経失調症だと思っていた。ピーク時にうつ病を疑うようになりその後診察を受けて仮面うつ病と診断された。
 言われてみると納得できた。悩みはあっても、もう生きていたくないとか、自分は価値が無い人間だと暗く落ち込むことは全然なかったのである。

 しかし、今回これを患って、うつ病の人が会社や学校に行けなくなるとか、無気力になるということが身をもって理解できるようになった。
自分はどうしてしまったのだろう、がんばろう、と鼓舞しても、身体中が重く、けだるく、本当に動けなくなるのだ。とてもとてもつらい。

 とてもとてもつらかったが、名医に出会い、薬で改善している。
 そして、何より、自ら苦しみを味わうことによって、これまでよりは多くの人の痛みを共感し、心から寄り添えるようになったことは、神様から与えられた試練と贈り物だと感じている。

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posted by 二胡母 at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仮面うつ病とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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