ゆうべ、久しぶりに夫リーが郊外にでも出かけないか、と訊くので、私はとにかく賛成すべきだと判断、いいよ、と返事した。彼は、
「八里はどう?レンタサイクルに乗れるし、船で向こう岸に渡ったら淡水だしね。」
と提案する。それは今年5月、二胡母が体調不良でダウンした日に父子たちが行ったコースでもある。
また行こうか、と言うのだから、リーのお気に入りコースのひとつなのだろう。シャワーを浴び、寝る準備を整えていた娘たちも、行こう!行こう!と大賛成。決まりだ。
八里とは、ここ台北縣内の地名である。二胡母一家が住む中和市より人口はずっと少ないので八里市ではなく八里郷だ。淡水市も台北縣下であるが、かなり北部で、冬季台北で最低気温を記録するのはだいたいその淡水である。しかし、八里も淡水も海に面した風光明媚な町で、外国人観光客にはそれほど知られていなくても、台湾の人たちが好んで訪れる観光地だ。ここ中和市から八里へは「64線東西向快速道路」が開通以来、まったく下道を通らず30分ほどで行けるようになった。
目的地・八里の左岸公園一帯にマイカーが乗り入れたのは10:30頃だった。すると、様々なタイプのレンタサイクルに乗った家族連れ、カップル、小学生の団体などが気持ちよい蒼い空の下、スイスイと自転車をこいでいる。じゃあ、僕らもさっそく自転車を借りようと、リーはスピードを落とし、道路際に何軒も並ぶレンタサイクル屋を物色する。
5分ほどかかって決定、ありがたいことに自転車を借りると無料でそこの地下駐車場に駐車できた。
前2人、後ろ2人の4人乗り自転車(屋根付き)にする。1時間150元(約450円)、2時間250元(約750円)で、私は1時間でいいよと言ったが、リーは2時間がいいと主張。
二胡母はご存知のようにかなりひどい腰痛持ちゆえ、前座席でのこぎ役は辞退したが、ランがすすんでこぎ役を買って出てくれたので助かった。後部座席には二胡母とメイがお尻をぎゅっと詰め合った。ランは何とか足がペダルにとどいた。
風があり、緑が多く、海岸通りのコースを走るとさほど暑さは感じない。7~8月ならこんな無謀なことはできないのだけど。
途中でベンチに腰掛けたり、対岸の淡水の町並みを眺めたりした。とても美しくしゃれた風景で、少しいつか見たアメリカの町にさえ見えた。
だが、やめときゃいいのに2時間レンタルしたせいで、こぎ役のリーとランは息も絶え絶え、申し訳なってきた。それでも結局ほぼ2時間たっぷり楽しんで、マイカーへ。
快速道路(ちなみに無料!)にのる前に麺や水ギョーザなどでランチして、午後2:00前には無事帰宅した。
覚えておいてください。台北縣下の八里郷と淡水市も素敵なところです。