「いちご組、ランちゃん、お母さんがお迎えに来ました。」
大班、中班、小班、幼班、幼幼班と年齢別に分けられ、100人以上の子どもたちが集う、大きい幼稚園なのだ。
名前を呼ばれると、先生の助けを借りつつ帰る用意をして、階段を下りて来る。
ランは大班の中のいちご組、担任はPEGGY老師。
メイは中班の中のペンギン組、担任はBELLA老師。
発音が難しい中国語、園児たちに呼びやすいよう、保育士たちは英語名を使う。
園のはからいだろう、娘たちの教室は2階で隣り合っていた。そして娘たちのいとこにあたる女の子がランと同級生で、その子とランは同じクラスになった。以前もそうだった。
2人の担任によると、2人とも初日にしては、そして、中国語が話せないわりには明るく、楽しそうに過ごしたらしい。
それどころかランはたくさん先生の手伝いをして、PEGGY老師はひどく彼女をほめた。クラスメイトも競ってランに話しかけたり、遊びたがったそうだ。
メイも先生の助けを借りながら自己紹介をしたし、食事も早くできた。「たくさんお友達できた」とニコニコ。帰宅後、さっそく宿題をしていた。5歳児には読み書きを教え始めるのだ。
ランはまずピアノの練習をして、『あたらしい しょしゃ』の漢字もやった。これから忙しくなるぞ。
人見知りせず、日本の幼稚園をこよなく愛した娘たち。
台北でもうまく園に溶け込むだろう。