いわゆる第2外国語が流暢になった子どもが、その言語が使用されるクラスに入っても学業が振るわないケースはめずらしくない。
その理由は、日常会話レベルは高くなっても、学業について行けるだけの能力がまだついていないからである。
これら2つの言語能力を「生活言語能力」と「学習言語能力」と呼んで区別している。
前者を身につけるのには1〜2年で足るが、後者を取得するには5〜7年かかるとされていると書かれてあり、私は背筋が伸びる思いがした。気持ちが引き締まり、これは、自分の自由時間を削ってでも、ランとメイの将来のために力を尽くしてやらねばならない。「妻」や「母親」だけの自分で終わるのはイヤだとの抵抗感は強いが、当分はそんなことは言っていられない。一人の人間の将来や人生を左右する問題に思えるのだ。
台北にいた頃、私の日本語に対し、中国語で答える娘たちを黙認していたことを思い出し、反省する。そして、母は決意した。
「台湾へ帰って、ママの日本語に日本語で答えなかったら返事をしません。」
娘たちにはすでに宣告済みだ。