でも、正直で心根の優しさが、少し話をすればわかるので、体格からくる威圧感などちっともない。
かなり前になるが、二胡母の授業にちょくちょく来るようになった黄さんに年齢を尋ねると、35だと言う。そして、日本語能力検定の一級に合格し、英語も磨くために思い切って会社をやめ、数年間勉学に専念すると話していた。
彼の勉強ぶりからはその意気込みが伝わる。日本語の教科書は書き込みで余白がないほど。同じテーマを3人の先生の授業で聞く、とも言っていた。皆、教え方が違うから、それも力がつくと。
好青年の黄さん、結婚はするつもりないのかな、と考えていた頃だったか、あるきっかけで知り合った北海道苫小牧市在住の女性と遠距離恋愛をしている、と小さな声で打ち明けてくれた。彼女の写真も見せてくれた。できるだけ早く結婚したいが、
「まずは日本語能力検定一級に合格してからです。」
と言う。
彼女とのメールは毎日。結婚後、台湾に住むか、北海道に住むかは検討中とのこと。
誠実で温かな黄さんを待っている女性を、うらやましく思う二胡母である。がんばれ、黄さん!