一番気を揉んだのは、三軍総病院の待合室にいた時である。予約番号順にしか診てくれないのは覚悟の上だが、診察不要、薬だけ欲しい、という患者が多ければ、意外と早く自分の番に回ってきたりする。その日によってまったく異なる展開になる。
しかし、よく考えてみると、通院が始まって2年、一度も診察を受けずに帰った事はない。昨日も書いたように、主治医の毛医師には、二胡母の気持ちを優しくほぐす力というかオーラがあるのだ。毛医師に会いたいから“薬だけにしようかな”とのデキ心も追い払って、結局辛抱強く待って来た。
地下鉄に乗って3:35頃病院着。逆算すると、5:30には出ないと、再度台北中央駅前校に戻り、夕飯を食べて授業に出るのに間に合わない。1〜2時間待つのには慣れているが、昨日は風変わりな患者がいた。背格好も顔つきも、着ている服装も似ている。姉妹なのだろうと容易に察せる2人だ。見たところ、30代半ばから後半くらい。
その2人、いずれも予約を入れているようで、別々に診察室に入る。そして、出て来て、支払いを済ませた領収書や薬の袋まで持っているのに、また待合室にやって来て、順番を待ち、2人一緒に診察室に入ったりする。部屋の中から、あの穏やかな毛医師の少し荒立った声が微かに聞こえて来たり、やっと出て来たと思ったら、姉妹のうちの一人が目を真っ赤にしていたり。その待合室でも口論するし、まだ帰ろうとせず、2人並んで座っている。実に危なげな空気が漂っていて、老婆心ながら、どうなって行くのか案じられた。
見たことのない成り行きゆえ、いきさつを聞きたい気もしたが、そんなことは言っておられず、何とか毛医師と10分ほど語らえて、5:30に病院を後にできた。
チキンフライ弁当と持参したミニトマトががおいしかったおかげか、3コマ目の授業はなかなかパワフルにこなし、9時前、「ただいま〜!」。
やればできるものだ。