私は8歳の頃から視力が低下し、強度の近視と乱視、それにドライアイを加え、この半生、目には泣かされ続けてきた。今回も痛いとか、かゆいわけではないが、日本にいた頃からとみにまた視力が下がり、左目は白っぽく見える自覚症状が出てきて、台湾に戻ったら、一度しっかり検査しようと思っていたのだ。
この辺りでは設備が揃い、院長の荘朝傑医師はじめ、3名の他の医師とも評判が高く、連日さばけないほどの患者が訪れる眼科は自宅から徒歩5分。9時に開門し、午後診(3;00〜6;00)1番を予約でき、帰宅した。
昨日台北は1日雨模様、気温は低めでも蒸した。診察後そのまま娘たちを幼稚園に迎えにいける用意もして、再度眼科へ。
金曜日の午後は唯一の女医・花医師だ。以前にも診てもらったことがある。
予想通り、目薬で瞳孔を開き、眼底検査をすると言われる。瞳孔が開くものに約1時間かかる。
やっと検査開始。まず左目から診た花医師は、軽い白内障があると言った。これは前にも日本で言われていたので、やっぱり、と思う。確かに左目の見え方が悪くなって、気になっていたのだ。
つぎに、右目。ん?花医師はえらく時間をかけて見ている。何度か舌打ちしたり、首を傾げたりもしている。
4時半には娘たちを迎えに行きたい、と言っていた私。大丈夫、それまでには眼底検査は済みますよ、と医師も答えていたが、
「あなた、まだ帰れませんよ。これから別の検査をします。あなたの網膜に小さな穴が開いてます。放っておいたら非常に危険です。
花医師はメモに「周辺視網膜病変」などと書いて説明してくれた。何かと考えていたら、どうも「網膜剥離(もうまくはくり)」の症状が出始めているとわかる。
この疾患の怖さは知っていた。花医師は少し緊迫した様子で看護士たちにいろいろ指示し、私はさらに何種類かの検査をした。また、院長の荘医師に連絡して、至急病院に戻り、レーザー手術をお願いしたい、と連絡を入れている。もちろん、私がその手術を受けると同意した後でだ。
私は痛み止め(麻酔?)の顆粒を飲み、10分もすると、荘医師が現れ、
一緒に2階へ上がる。
私は会社にいる夫リーにケータイで事情を話し、早めに退社し、娘たちを迎えに行って、外で夕食を食べさせてくれないか頼んだ。彼は承諾してくれた。
午後5時10分だった。
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